オーストラリア一般ニュース－豪州航空会社、空港、経済、社会

　　連邦裁判所が、「カンタス航空が、燃油サーチャージを旅行代理店への販売手数料の対象にしていないことは不当である」と昨日判断したことで、オーストラリアの旅行代理店に多額の手数料が入ることになる。　弁護士は、「世界で初めての今回の連邦裁判所の判決は、世界の航空業界に大きな影響を与えることになる」としている。　
　　今回の問題はカンタス航空が2004年5月に燃油サーチャージを導入して以来紛争が続いていた。　2004年にカンタス航空は、国内運賃に関しては燃油サーチャージを含めた運賃に対して販売手数料を支払うが、国際線については燃油サーチャージは除外するとしていた。　その後、国内線の燃油サーチャージは廃止になったが、国際線は引き続き適用され、カンタス航空は旅行代理店に燃油サーチャージに対する手数料の支払いは拒否してきた。　燃油サーチャージは片道最高95ドルとなっている。　今回の訴訟では、多くの個人経営の企業も集団訴訟に参加しており、カンタス航空が旅行代理店にこの分の手数料をどのようにして支払うのかはまだ決まっていない。　2006年にカンタス航空とその他航空会社5社を相手どって起した集団訴訟の原告に代わって告訴した法律事務所Slater & Gordonは、カンタス航空は3,600万ドル以上の手数料を支払う必要があると見積もっている。　
　　弁護士のスティーブン・ルイス氏は、「連邦裁判所は明確に、燃油サーチャージは販売するチケット運賃の一部のであると判断した。　カンタス航空は政府の税金を除いたすべての運賃に対する手数料を支払う義務がある。　今回は画期的な判決で、世界で初めて燃油サーチャージが旅行代理店の販売手数料の対象になると判断した」と話した。　今回の判決は、今後集団訴訟の被告となっている英国航空、キャセイ･パシフィック航空、シンガポール航空、マレーシア航空、ニュージーランド航空の裁判にどのような影響が出るかが注目される。　
　　連邦裁判所のブルース・ランダー判事、スティーブン・レアズ判事、アンソニー・べサンコ判事は、「カンタス航空は、IATAの規定に基づく航空会社と旅行代理店の権利と義務を一方的に変更することは許されない。　IATAの規定では、手数料は手荷物超過料金、税金、一部の他の料金を除く旅客運賃コストを対象として計算されるとしている」と話した。　(Source: The Australian, 05/05/10 "Qantas forced to pay fees on fuel surcharges")

05月26日2010年		ニュージーランド航空が世界で5位　－　スカイトラックス賞

		オーストラリア･太平洋地区の最優秀航空会社と最優秀スタッフ･サービス賞の部門で、ニュージーランド航空がカンタス航空やVオーストラリア航空に勝った。　　　また、ニュージーランド航空は、英国の航空関連専門の調査会社スカイトラックス（Skytrax）社が実施している、今年約1,800万人が投票したスカイトラックス賞で世界で5位となる航空会社に選ばれた。　カンタス航空は2008年が3位、2009年が6位、今年が7位となった。　1位は韓国のアシアナ航空で、シンガポール航空が2位、そしてカタール航空、キャセイ･パシフィック航空と続く。　カンタス航空は、「最優秀プレミアム・エコノミー･クラス」と「最優秀プレミアム・エコノミー･シート」で1位、「最優秀ファースト･クラス」ではエティハド航空とシンガポール航空についで3位、「最優秀ファースト･クラス･ラウンジ」でタイ航空についで2位となっている。　　　「最優秀ビジネス･クラス」では1位がカタール航空、2位がシンガポール航空、3位がエティハド航空。　「最優秀エコノミー･キャビン」は1位がマレーシア航空、2位がシンガポール航空、3位がカタール航空となっている。　　　ガルーダ･インドネシア航空は、世界で最もサービスが改善された航空会社とされ、エミレーツ航空は「最優秀インフライト・エンターテイメント」に選ばれた。　「最優秀キャビン･スタッフ」は1位がシンガポール航空、2位がマレーシア航空、3位がアシアナ航空となっている。　スカイトラックス社が選んだ今年のトップ10航空会社は次の通り。 1. アシアナ航空 2. シンガポール航空 3. カタール航空 4. キャセイ・パシフィック航空 5. ニュージーランド航空 6. エティハド航空 7. カンタス航空 8. エミレーツ航空 9. タイ航空 10. マレーシア航空 (Source: The Australian, 21/05/10 "Air New Zealand beats Qantas as best Australia-Pacific airline in global awards")

05月26日2010年		カンタス航空とのコードシェアの更新を希望－南アフリカ航空

		マーケットが回復してきたことで、南アフリカ航空はカンタス航空とのコードシェアの更新を今年の末に市場競争監視機関に申請する。　　　同社の豪州･アジア地区ｾﾞﾈﾗﾙ･ﾏﾈｰｼﾞｬのThevan Krishna氏は、「今年に入って2－3ヶ月マーケットは劇的に回復してきている。　しかし、輸送量の供給が過剰で、利益の回復は遅い。　今年はよくなると期待しているが急激な増加はない。　エコノミー･クラスの収入は増えており、昨年劇的に落ち込んだビジネス･クラス市場も改善してきている。　資源輸出市場の成長で、パースからA340-600でデイリーで運航しているフライトは非常に人気がある。　我々は現在自社機でパースから運航している。　シドニーから自社機で運航する魅力があるものの、カンタス航空とのコードシェア契約は続けたい。　国際航空委員会（IASC：International Air Services Commission）とオーストラリア自由競争・消費者委員会（ACCC）から2年間のコードシェアの許可を得ているが今年12月に切れる。　そして今後もこのコードシェアの更新を申請したい。　メルボルンからヨハネスブルグへ運航を開始したVオーストラリア航空は、今のところマーケットシェアに影響が出ていないが、良い航空会社であるから、今後影響が出てくるようになる」と話した。　(Source: Travel Today, 19/05/10 "SAA seeks extended codeshare on back of growth")

05月26日2010年		豪州企業の8万社がキャッシュフローに問題　－　信用調査機関

		現在、多くのオーストラリア企業の経営が金融危機の真っ只中の時よりもひどい状態になっている。　　　信用調査機関のDun & Bradstreet （D&B ）社は、今年第1四半期での支払いの遅れをもとに約8万社の企業のリスク因子の評価を引き下げた。　この約8万社という数字は同社が1年前に今回と同様に評価を引き下げた企業数より1万5,000社以上多くなっている。　これら8万社は来年にかけて財務上の困窮に直面する可能性が高くなっている。　　　同社のダミアン・カーメリッチ役員は、「現在経済は回復しているとされているが、我々は過去70年間で最悪といわれた世界的な金融危機の時よりも、企業評価の引き下げをしている」と話した。　同社のグループは280万社のデータベースを保有し、各社の来年にかけての財政上の問題や、支払いの遅れの可能性についての評価をしている。　カーメリッチ役員は、「企業が支払いをする日が2009年半ばから1週間ほど遅れている。　これはキャッシュフローに問題がある証拠である。　また、企業間の未払い額が膨らんできており、これは我々のデータベースを見ても、支払いの延滞や企業の倒産によることが明らかである。　特に、小規模や社歴の浅い通信、運輸、農業、漁業、鉱業、建設などがリスクが高い業界である。　企業リスクは時によっては利益と関連しない、利益は帳簿上のことであって、キャシュフローが重要である」と話した。　(Source: The Australian, 20/05/10 "Warning list grows as cashflow concerns hit 80,000 firms")

05月19日2010年		シンガポールから長距離路線を運航　－　ジェットスター航空

		格安航空会社のジェットスター航空は声明で、「高まる需要に対処するために、シンガポールからオーストラリア、北アジア、ヨーロッパへの長距離路線の運航に乗り出す。　チャンギ空港からの運航は今年末から始まる」と発表した。　　同社のサイモン・ウェスタウェイ広報担当は、「シンガポールからの高まる需要に対応すべく、我々の念願であるシンガポールからの長距離路線の運航を計画している。　IATAの統計では、2009年にアジア･太平洋地域で6億4,700万人の旅客があり、それまでの1位であった北アメリカを抜いて、世界で最大のマーケットとなっている。　ジェットスター航空はオーストラリア発の国際線において、仮にマーケットが縮小していても、運賃が競争力のあるものであれば　需要があることを経験してきた。　シンガポールからの最初の長距離路線の運航は今年12月から始まるが、まだ運航先は決定していない。　我々はマーケットの中では格安の運賃を提供しており、他社に比べて30%低い」と話した。　　　ジェットスター航空の運賃はカンタス航空より平均35-40%安い。　2機の新しいA330-200をこの路線に投入する。　ジェットスター航空は現在、オーストラリアからバリ、東京、大阪、バンコック、プーケット、ホノルルの長距離路線を運航しており、シンガポールに拠点を置く子会社のジェットスター・アジア航空は近距離路線を運航している。　(Source: ABC, 12/05/10 "Jetstar to launch long-haul flights from Singapore")

05月19日2010年		貿易促進のために新しいロゴを発表　－　豪州政府貿易省

		オーストラリア政府は貿易を促進するための新しいロゴを発表した。　今までのカンガルーに替えて、2つのブーメランを縦に配置し、オーストラリアの東海岸と西海岸を表すような模様である。　　　サイモン･クリーン貿易相は、「今回のデザインは太平洋とインド洋に向けて弓を引いているような形で、オーストラリアの無限の可能性を意味している」と話した。　このロゴの宣伝には今後4年間に2,000万ドルの費用が投入され、豪州産の製品やサービス輸出の促進を行なう。(Source: The Age, 14/05/10 "Logo ditched as lovable but lightweight")

05月12日2010年		3月の豪州国内線の定時運航率の最高はカンタス航空

		オーストラリアのインフラ・運輸・地方経済局(BITRE)の最新の統計では、オーストラリア国内を運航している航空会社カンタス航空、ジェットスター航空、カンタスリンク航空、リジョナル・エクスプレス、スカイウェスト航空、タイガー航空、バージンブルー航空の3月の全社平均の定時出発率は85.3%で、定時到着率は83.7%、フライトのキャンセル率は1.4%としている。　　　昨年の3月の定時出発率は87.1%、定時到着率は86.2%、キャンセル率は1.4%であった。　また2003年11月からの長期的な平均は定時出発率は85.0%、定時到着率は83.7%、キャンセル率は1.2%である。　　　今年の3月において主要航空会社の中で一番定時出発率が高かったのはカンタス航空の87.8%、次はバージンブルー航空の85.6%、そしてジェットスター航空の82.6%、タイガー航空の74.0%と続く。　地方路線ではリジョナル・エクスプレスが87.8%、カンタスリンク航空が84.8%、スカイウェスト航空が78.9%であった。　　　一方、定時到着率はカンタス航空が87.7%、バージンブルー航空が84.9%、ジェットスター航空が83.5%、タイガー航空は73.9%となった。　地方路線ではリジョナル・エクスプレスが83.2%、カンタスリンク航空が80.7%、スカイウェスト航空が76.6%であった。　　　3月でフライトのキャンセル率が一番高かったのはバージンブルー航空で2.5%、一番低かったのはリジョナル・エクスプレスでキャンセルしたフライトは1便だけであった。　(Source: Aircargo Asia-Pacific, 06/05/10 "Qantas best for on-time performance in March")

05月12日2010年		燃油サーチャージも旅行代理店への手数料の対象－連邦裁判所

		連邦裁判所が、「カンタス航空が、燃油サーチャージを旅行代理店への販売手数料の対象にしていないことは不当である」と昨日判断したことで、オーストラリアの旅行代理店に多額の手数料が入ることになる。　弁護士は、「世界で初めての今回の連邦裁判所の判決は、世界の航空業界に大きな影響を与えることになる」としている。　　　今回の問題はカンタス航空が2004年5月に燃油サーチャージを導入して以来紛争が続いていた。　2004年にカンタス航空は、国内運賃に関しては燃油サーチャージを含めた運賃に対して販売手数料を支払うが、国際線については燃油サーチャージは除外するとしていた。　その後、国内線の燃油サーチャージは廃止になったが、国際線は引き続き適用され、カンタス航空は旅行代理店に燃油サーチャージに対する手数料の支払いは拒否してきた。　燃油サーチャージは片道最高95ドルとなっている。　今回の訴訟では、多くの個人経営の企業も集団訴訟に参加しており、カンタス航空が旅行代理店にこの分の手数料をどのようにして支払うのかはまだ決まっていない。　2006年にカンタス航空とその他航空会社5社を相手どって起した集団訴訟の原告に代わって告訴した法律事務所Slater & Gordonは、カンタス航空は3,600万ドル以上の手数料を支払う必要があると見積もっている。　　　弁護士のスティーブン・ルイス氏は、「連邦裁判所は明確に、燃油サーチャージは販売するチケット運賃の一部のであると判断した。　カンタス航空は政府の税金を除いたすべての運賃に対する手数料を支払う義務がある。　今回は画期的な判決で、世界で初めて燃油サーチャージが旅行代理店の販売手数料の対象になると判断した」と話した。　今回の判決は、今後集団訴訟の被告となっている英国航空、キャセイ･パシフィック航空、シンガポール航空、マレーシア航空、ニュージーランド航空の裁判にどのような影響が出るかが注目される。　　　連邦裁判所のブルース・ランダー判事、スティーブン・レアズ判事、アンソニー・べサンコ判事は、「カンタス航空は、IATAの規定に基づく航空会社と旅行代理店の権利と義務を一方的に変更することは許されない。　IATAの規定では、手数料は手荷物超過料金、税金、一部の他の料金を除く旅客運賃コストを対象として計算されるとしている」と話した。　(Source: The Australian, 05/05/10 "Qantas forced to pay fees on fuel surcharges")

05月12日2010年		3月の豪州の貿易赤字が約21億ドルに拡大　－　豪統計局

		3月のオーストラリアの貿易赤字が輸入が増えたことによって約21億ドルになった。　　　オーストラリア統計局の季節調整済みの統計によると、貿易赤字が2月の17億ドルから3億8,100万ドル増えたとしている。　これはロイター社がエコノミストたちにアンケートを行なった結果の平均値の22億ドルに近い数字となった。　　　3月の輸出額は2%増えたが、輸入額がそれを上回る3%増加した。　輸入の中で大きく増加したのは燃料や潤滑油を含む”中間財・その他製品”のカテゴリで10%増えたが、消費財は4%減少した。　輸出は農産品が2%、金が34%増加している。　(Source: ABC, 06/05/10 "Trade deficit now more than $2b")

05月05日2010年		政策金利を0.25%引き上げて4.50%に　－　豪準備銀行

		今日、オーストラリア準備銀行は政策金利を0.25%引き上げた。　これで過去8ヶ月間で6回目の引き上げとなり、新しい政策金利は4.50%となった。　　　同銀行のグレン･スティーブンズ総裁は、オーストラリアの経済の成長はほとんど通常の平均的なレベルに戻っており、金利も通常のレベルにする必要があると繰り返し発言していた。　ほとんどのエコノミストたちは、金利の平均レベルを4.50%から5%と見ている。　そして、今日の引き上げのあとは、今後の金利の引き上げはないのではないかとしている。　　　今回の引き上げについては、市場での驚きはなかった。　Bloomberg社が24人のエコノミストを対象に実施した調査では、18人のエコノミストが0.25%の引き上げを予想しており、6人が4.25%の金利を据え置くのではないかと回答していた。　(Source: ABC, 04/05/10 "Reserve Bank lifts rates")

05月05日2010年		ニュージーランド航空とバージンブルー航空が提携を模索

		オーストラリアとニュージーランド間の路線の競争が激化する中、ライバル同士のニュージーランド航空とバージンブルー航空が継続して協議をしていくことを誓った。　　　両社は昨日、オーストラリアとニュージーランド間のフライトに関しての協力についてこの数ヶ月間協議をしていることを明らかにした。　同路線においては、ニュージーランド航空が38%のマーケットシェアーを持っており、カンタス航空は21%、パシフィックブルー航空は18%、ジェットスター航空は11%となっている。　　　カンタス航空の広報担当は、「カンタス航空としては、公正な競争が損なわれないように、いかなる提携も検討する。　自由な競争が損なわなければ、航空会社同士の提携は重要である」と話した。　メディアは、「今回のニュージーランド航空とバージンブルー航空との提携は資本関係を伴わず、コードシェアーの構築になる可能性が大きい」と報道している。　　　ニュージーランド航空は多数の旅客のマーケットシェアーを保有しているが、この数ヶ月間フライトの減便をし経費を削減している。　一方、ジェットスター航空のサイモン・ウェスタウェイ広報担当は、「オーストラリアとニュージーランド間の路線は、世界で最も競争の激しい路線のひとつである」と語っている。　　　ニュージーランド航空の今年度の上半期の利益は前年同期比で9.7%減少している。　2006年にニュージーランド航空とカンタス航空がコードシェアー契約に署名したが、政府の自由競争監督機関から拒否されている。　(Source: Travel Today, 29/04/10 "Rivals eye Virgin, Air NZ tie-up")

05月05日2010年		ブリスベン空港に成田線の運休を正式に通達　－　日本航空

		日本航空はブリスベン空港会社(BAC)に対して、成田からB767を使用してデイリーで運航しているフライトを2010年9月に運休することを正式に伝えた。　　　今回の決定は、日本航空が今年1月に会社更生法の手続きをしたことで驚くことではなかった。　同空港会社は今年2月に東京で日本航空と会談をしており、つい最近も今回の運休についての状況の話を聞いていた。　日本航空は昨年11月に、成田/ブリスベン線の機材をB747からB767に変更してから、旅客のロードファクターが上がり、今年に入ってから3月までの平均のロードファクターが80%を越えている。　　　日本航空はブリスベン空港会社に宛てた手紙の中で、「今回の決定を残念に思う。　管財人の指示で、保有する14機のB747を売却し、老朽したA300を退役させることになり、ブリスベン線で使用しているB767を別の路線に使用することになった。　しかし、現在のリストラが完了し、日本航空が利益の出る体質に戻れば、出来ればB787を使用して成田/ブリスベン線の再開を求めたい」としている。　(Source: T&L News, 29/04/10 "Japan Air Lines bows out of Brisbane ")